日本語の敬語:尊敬語編
日本語の何が一番難しいと聞かれたら、敬語を挙げる人が多いでしょう。実は、規則を理解すれば、敬語もそれほど難しくないですよ。
敬語は目上の人に対して使用する言葉で、例えば、先生、上司、先輩などが該当します。敬語は主に、尊敬語(そんけいご)と謙譲語(けんじょうご)という二種類に分けられます。
今回のコラムではまず尊敬語を取り上げます。
尊敬語は、目上の人に使い、相手を立てることで、敬意を示します。注意が必要なのは、相手(つまり先生、上司、先輩)が行う行為に対して使われる点です。
みなさん、「日本人の知らない日本語」というドラマを見たことがありますか。このドラマの主人公は、日本語学校の先生と日本語を学ぶ外国人の学生です。ドラマの各回で先生がある日本語の知識点を取り上げて学生に説明します。その第8話で、「尊敬語」が話題になりました。
尊敬語に関して以下の三つの主な形式が紹介されました。以下にそれらの形式を紹介します。
- 受け身と同じ
- 動詞+になります
- 特別な形
以下それぞれを詳しく例を挙げて述べます。
1. 受け身と同じ
- 「座る」→「座られます」
- 「帰る」→「帰られます」
- 「する」→「されます」
例文:先生は先ほど帰られました。
2. 動詞連用形+なります
- 「座る」→「お掛けになります」
- 「帰る」→「お帰りになります」
- 「会う」→「お会いになります」
*注意:
- 「来る」「見る」のような語幹が一音節である語は、「+になります」は使いません。
- 特別な形で表せる語は基本的に「動詞連用形+なります」の形で使いません。
例文:こちらでお掛けになってください。
3. 特別な形
- 「いる」、「行く」→「いらっしゃる」
- 「言う」→「おっしゃる」
- 「食べる」、「飲む」→「召し上がる」
- 「見る」→「ご覧になる」
- 「する」→「なさる」
- 「知っている」→「ご存じだ」
例文:どうぞお召し上がりください。
皆さん、尊敬語についてわかりましたか。「日本人の知らない日本語」は放送が終わりましたが、まだHuluやU-NEXTなどのオンライン動画配信サイトで見られるようですので、尊敬語の実際の使用場面を見ながら勉強したい人は、「日本人の知らない日本語」の第8話をチェックしてみてくださいね。次回は「謙譲語」について紹介します。
参考ウェブサイト:
東京外国語大学言語モジュール(閲覧日2023年12月15日)
| 学習コラム