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日本語多読のすすめ

text: 岡山楓

はじめに

皆さんは、言語を学習するとき「本を読む」という手段を取ったことはありますか?なかなか本を読む気にはならない、または読んでみたけれど難しすぎて途中でやめてしまった、という経験はありませんか。このコラムでは日本語を学習する際の一つの手段として「多読」について、その方法とおすすめのリソースを紹介します。

多読とは?

多読とは、その文字の通り、「大量に本を読む」ということです。ではどのようにたくさんの本を読み進めていけばよいのでしょうか。

  1. やさしいレベルから読む
  2. 辞書を引かないで読む
  3. わからないところは飛ばして読む
  4. 進まなくなったら、他の本を読む

(二宮2013、日本語多読の5つのルールより)

これが「多読」のルールです。このルールに沿って楽しく読むのが「多読」です。読み進めていくうちに多くのことばに出会い、意味が分かるようになっていきます。しかし内容が全然わからず、面白くなくなってしまい、読み進めることができなくなってしまうこともあります。そのような時は、本を変えるという手段をとりましょう。そうしてたくさんの本、言葉に出会い、日本語を習得できるようになっていきます。

どんな本を読んだらいいの?

たくさんの本を読みましょう、と言われてもどうやって探せばいいのか、どんな本が自分に合っているのかわからない、買うのはちょっと気が引ける、と思うこともありますよね。そこで今回は無料で読める、おすすめの多読サイトを3つご紹介します。

NPO「にほんごたどく」

1つ目は、無料の読みもの – にほんごたどくです。このサイトでは、無料で読むことのできる本も、購入して読める本もあります。レベル別に本が並んでいるので、自分に合った本を見つけやすく、音声のダウンロードも可能です。シンプルで誰でも使いやすいサイトです。

「日本語多読道場 yomujp」

2つ目は日本語多読道場 yomujpです。このサイトもレベル別に読み物が並んでいます。物語ではなく日本のお店や町についての紹介コラムが多く、日常生活に役立つ情報が多いです。

「MATCHA」

3つ目はMATCHA - やさしい日本語です。このサイトは訪日旅行者に向けて日本の情報を発信するWEBマガジンですが、ふりがなはもちろん、難しい単語の上には英語での表記もしてあり、多読の読みものとしても使いやすいサイトです。レベル分けはされていませんが、日本の観光名所や食べ物など日本のことを知りたい人におすすめです。

本を購入するのは少し気が引けるという方もこれらのウェブサイトなら、気軽に手に取ることができるのではないでしょうか。

おわりに

いかがでしたか?

私自身英語を学習している際、英語の本を読もうと思い、読み始めましたが、途中から難しすぎて本から離れ、全く読まなくなってしまった経験があります。このような経験のある方は少なくないのではないでしょうか。まずはやさしいものから手に取り、自分に合っていなければ、また別の本を探せばいい、という気楽な気持ちで取り組んでみるのもおすすめです。

参考文献

二宮理佳「多読授業が初級学習者オ内発的動機付けに及ぼす影響」『一橋大学国際教育センター紀要4』2013、pp15~29

岡山楓

静岡県出身。言語文化研究科言語文化専攻博士前期課程1年。大阪に来て1年、関西弁の温かさと適度な適当さに魅かれています。