ドラマを用いた日本語学習
皆さん、日本のドラマを見たことがありますか?
ドラマを見るのは言語学習の方法の一つと言えます。でも、単純にドラマを見ることだけにとどまっていては、日本語の上達につながりません。ドラマで日本語を勉強する際は、そこにありがちな落とし穴を避けましょう。
そこでおススメしたいのが、有効に学習するための活用法や素材です。
まず、皆さんご存知だと思いますが、ドラマを用いた日本語学習には多様な効果があります。例えば、
- 語彙力アップ
- リスニング力アップ
- スピーキング力アップ
- 社会文化への注意
などです。
では、以上の効果を収めるために、有効な日本語学習法をご紹介したいと思います。
覚えておきたいと思った単語やフレーズはメモ帳に書き留める。
「知らない表現を全てメモ帳に書き留める」というやり方はあまりお勧めしません。単語一つ一つを全部聞き取るのは大変難しいし、その必要もないと思います。そのかわりに自分がこれから使いそう、覚えておきたい、面白いと思った、という表現を中心に書き留めていきましょう。
なお、ドラマの中で出てきた表現がどんな場面で使われたりするのかを判断するのは難しいですね。だから、使われる表現と一緒に、その場面やキャラクターの特徴などもメモ帳に書いておくことをおすすめします。
字幕活用
字幕がないと理解が困難、という初心者の方には、
- 1回目:母語字幕+日本語字幕で大まかな内容を把握する(内容理解)
- 2回目:日本語字幕のみでメモを取りながら視聴する(聴解、語彙学習)
- 3回目:字幕なしで挑戦する
というやり方をおすすめします。
字幕なしでもだいたい内容がわかる、という中上級の方には、
- 1回目:字幕なしで挑戦する(内容理解)
- 2回目:日本語字幕で不明点確認を行う(聴解、語彙学習)
- 3回目:再び字幕なしにする(理解度チェック)
というやり方をおすすめします。
何か気になったこととかがあれば、調べたりメモを取るためにシーンの一時停止と再生を繰り返すことがあるので、画面をコントロールしやすい状況下で視聴できるようにすることが必要です。
インプットだけでなく、アウトプットも大事。
リピーティング or シャドーイング
初級学習者の場合は、俳優がセリフを話した後に映像を停止して、字幕を見ながら読んでみてください。中上級学習者の場合は、聞こえてきた日本語を瞬時かつ正確に再現したりして、その俳優と同じ話し方になるよう真似て話してみてください。
ドラマに関する内容や感想を日本語で話し合いましょう
友だちと一緒に同じ作品を見るのがおすすめです。そうすれば、見所やストーリーを要約して話すという練習ができます。他に、ストーリーを要約してノートに書くのもアウトプットの良い練習になると思います。
そして、学習素材として、日本語学習におススメのドラマには以下のものがあります。
- 逃げるは恥だが役に立つ
- 凪のお暇
- カルテット
私は日本のドラマをたくさん見てきました。上にご紹介したものは、私が見たものです。日常生活に近いシーンが多くて、表現も比較的分かりやすいと思いますので、おすすめします。
一方で、専門用語やかしこまった表現が頻繁に出てくるドラマ(例:「リーガルハイ」「半沢直樹」)、または大袈裟な表現が多いドラマ(例:「今日から俺は!!」)などは面白いですが、初級学習者の学習素材としてはあまりおすすめしません。
いかがでしょうか?
マルチメディアの発展に伴い、多くの映像が我々にとって身近な存在となったと言えるでしょう。スマートフォンをはじめとする様々な端末を使い、個人で大量に日本の映像作品を視聴できるようになりました。ぜひ今回紹介した活用法を参考に、自分のレベルに適したドラマを楽しみながら日本語学習をしてみてください。
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