「考え事」の対話練習 -インナースピーチで外国語学習- 準備編
前回の理論編ではインナースピーチとは何か、そしてその効果についてお話ししました。今回は実践の前の準備編です。
何が期待できるのか
理論編で見た5つの効果のうち、対話練習で主に用いる効果は1のリハーサル効果と5の問題解決効果です。それ以外の効果ももちろん付随します。
インナースピーチで対話練習を行うと、実際声に出してコミュニケーションを行う場合にはどのように話せばいいのか、また知らない単語や言い回しを習得して用いるにはどのような文章に落とし込むか、という問題が解決されていくと思います。
用意するもの
この会話練習は自分の好きなマテリアル(習得したい表現を含む媒体)を用いて行うことができます。
例えば、外国語の本・ドラマ・アニメ・CM・映画、単語帳、熟語帳、名言集でもなんでも構いません。まずは、好きなセリフや場面を思い浮かべてください。
しかし、ここで大事なポイントをひとつ。「自分がそのシーンでセリフを言うことを頭でイメージできるか?なりきれるか?」が後に本当に重要になってきます。頭の中で自分がその外国語を使うシーンがイメージできるものにしましょう。反対に、イメージできるのであればどんなSFでもスパイものでも構いません。
実践方法の紹介
ここでは活字媒体と視覚媒体、ターゲットセンテンスを用いる場合に分けて、簡単に方法をご紹介します。
活字媒体を用いる場合
- 文章を好きな媒体から抜き出し、声に出さず心の中で反芻する
- 文章に含まれる馴染みのない単語、表現が意味を伴い、自然に聞こえるようになるまで続ける
- 文章の正確性だけでなく、発音や抑揚も加えて反芻する
- 最初の文章に後続するような文章を作るか、再度抜き出し、また反芻する
- ステップ2~4を2、3回繰り返し、短いストーリーを再現する
視聴覚媒体を用いる場合
- ドラマや映画、バラエティーなど。一人が話すフレーズを抜き出す
- 文章に含まれる馴染みのない単語、表現が意味を伴い、自然に聞こえるようになるまで続ける
- 文章の正確性だけでなく、発音や抑揚も加えて反芻する
- 1の次に続いたフレーズを抜き出すか、続きそうな表現を思い浮かべてまた反芻する
- ステップ2~4を2、3回繰り返し、短い会話を再現する
ターゲットセンテンスを用いる場合
単語帳、熟語帳などを活用して習得したい文章を作り、上記1~5のステップに当てはめる
次回、実践編では具体的にドラマを用いた例をご紹介します。
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