使役・受け身・使役受け身表現(3)使役受け身形
前回のコラムでは、「この論文は、先生によって書かれた」、「(私は)急に犬に吠えられました」、「(私は)スリに財布を盗まれました」など、受け身表現を練習しました。今回のコラムでは、使役と受け身が合わさった形の使役受け身形を練習していきたいと思います。
使役受け身形
使役形でもあげていた、「母(A)が子供(B)に野菜を食べさせた」という表現ですが、使役受け身形にすると、「子供(B)は、母(A)から野菜を食べさせられました」というようになります。それでは、使役形と使役受け身形は、どう違うのでしょう。
意味的には使役と同じですが、誰を主語にするかによって使役形か、使役受け身形かに分かれます。使役形では、命令する人がAですが、使役受け身形ではBにあたります。命令される人は、使役形ではBですが、使役受け身形ではAになります。
使役受け身形の作り方
- 1グループと2グループの動詞を「―ない」形に作りましょう。
- 「ない」を削ってください。
- 1グループには「せられる」もしくは「される」を、2グループには「させられる」を付けてください。
3グループは「する」、「来る」の2つだけなので、そのまま覚えてください。
*1グループ/2グループは、う-verb/る-verb、あるいは、五段活用/上一段・下一段活用と呼ばれたりもします。
1グループ
- 読む: 読まない + せられる(される) ⇒ 読ませられる(読まされる)
- 書く: 書かない + せられる(される) ⇒ 書かせられる(書かされる)
- 待つ: 待たない + せられる(される) ⇒ 待たせられる(待たされる)
2グループ
- 食べる: 食べない + させられる ⇒ 食べさせられる
- 見る: 見ない + させられる ⇒ 見させられる
- 寝る: 寝ない + させられる ⇒ 寝させられる
3グループ
- する ⇒ させられる
- 来る ⇒ 来させられる
使役受け身形の文型
使役受け身形の文型は、以下のようにつくります。
Bは Aに (Vを) 使役受け身形。
例)私は、先生に歌を歌わせられました。(歌わされました)。
クイズ
最後にクイズです。答えを見ずに、まずは考えてみてください。
1. 次の使役受け身文を使役文に変えてください。
- 私は、先生に歌を歌わせられました(歌わされました)。
- 新入社員は、課長に夜遅くまで働かせられました(働かされました)。
2. 次の使役文を使役受け身文に変えてください。
- お母さんは、こどもにピアノを練習させました。
- 先生は、学生に宿題を出させました。
こたえ
- 1-1)先生は、私に歌を歌わせました。
- 1-2)課長は、新入社員に夜遅くまで働かせました。
- 2-1)こどもは、お母さんにピアノを練習させられました。
- 2-2)学生は、先生に宿題を出させられました(出されました)。
これで、「使役・受け身・使役受け身表現」のコラムを終わらせたいと思います。どうでしたか。
使役形・受け身形・使役受け身形を使えそうですか?使役形・受け身形・使役受け身形は、あらゆるところで使われています。これらをうまく使えるようになると、誰が誰に命令をしていて、誰が誰に命令を受けていて、また、どんな気持ちを表しているかなど、ちょっとしたニュアンスが分かってくると思います。
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