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使役・受け身・使役受け身表現(2)受け身形

text: 李眞善

前回のコラムでは、「母が子供に野菜を食べさせた」、「先生は学生を走らせた」、「先生は学生に宿題を出させた」など、使役表現を練習しました。

今回のコラムでは「食べられました」にあたる、受け身形を勉強しましょう。ここでは、Bの感情を想像してみるのが大事になってきます。

受け身形

受け身形は、「Aがした行為が、Bに影響を与えること」を表します。Bが「私」である場合は、省略されることが多いです。また、受け身形を使うことで、Aがした行為の結果、Bが嫌な気持ちになったり、怖い思いをしたりすることを表す場合があります。例えば、傘がないのに、雨が降って、服が濡れてしまった時には、「(私(B)は)雨(A)に降られた」という受け身形を使うことができます。ここでは、「雨が降って嫌だ」という感情を表せます。



受け身形の作り方

  1. 1グループと2グループの動詞を「―ない」形に作りましょう。
  2. 「ない」を削ってください。
  3. 1グループには「れる」を、2グループには「られる」を付けてください。

3グループは「する」、「来る」の2つだけなので、そのまま覚えてください。

*1グループ/2グループは、う-verb/る-verb、あるいは、五段活用/上一段・下一段活用と呼ばれたりもします。

1グループ

  • 読む: 読まない + れる ⇒ 読まれる
  • 書く: 書かない + れる ⇒ 書かれる
  • 笑う: 笑わない + れる ⇒ 笑われる

2グループ

  • 食べる: 食べない + られる ⇒ 食べられる
  • 見る: 見ない + られる ⇒ 見られる
  • 教える: 教えない + られる ⇒ 教えられる

3グループ

  • する ⇒ される
  • 来る ⇒ 来られる

受け身形の文型

受け身形の文型には、主に以下の三つがあります。 

1. 直接受け身

Bが/は Aに/から/によって 他動詞の受け身形。(他動詞の例:書く、尊敬する)

例)この論文は、先生によって書かれた。



2. 間接受け身

Bが/は Aに 受け身形。

例)(私は)犬に吠えられました。



3. 持ち主の受け身

Bは Aに  所有物や体の一部(例:財布、足)を 受け身形。

例)(私は)スリに財布を盗まれました。



クイズ

それでは、クイズをしましょう。答えを見ずにまずは考えてみてください。

  1. 次の動詞を受け身に変えてください。
  • 1)踏む
  • 2)叱る
  1. 問題1の動詞を使って、次のイラストを見ながら受け身文を作ってください。
  • 1)踏む


  • 2)叱る


こたえ

  • 1-1:踏まれる
  • 1-2:叱られる
  • 2-1:子供は、兄に足を踏まれました。
  • 2-1:店員は、お客に叱られた。

ここでは、「使役・受け身・使役受け身表現」の中でも受け身形を勉強しました。うまく使えそうですか?次のコラムでは、使役受け身文を見ていきましょう。

李眞善

大阪大学言語文化研究科修士課程1年。色んな言語を学ぶことが大好きです。言語からはその言語を使う人々の文化やアイデンティティーが感じられるからです。

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